would/could の習得:”That would be me.”
ドラマ「ホワイトカラー」Season2の第2話で、ニールがフィクサーに化けて標的の議員に初めて会いに行った際、議員が「Benjamin Cooper(ニールの偽名)?」と尋ねたらニールが「That would be me.」と返答。なぜ「would」を使うの?
↑をchatGPTに訊き、さらにアレコレと続けて尋ねて色々教えられた内容をまとめ直し整理した。
“That would be me.” の意味とニュアンス
would は「仮定・控えめ・婉曲(えんきょく)」のニュアンスを出す助動詞。
would が使われるのは、直接的過ぎない言い方にして、柔らかさ・丁寧さ・控えめな距離感を出すため。
この場面で “Yes, I am." と言うと、やや直接的・強い。
そこで婉曲にして
“That would be me.” 「そういうことになるのが私です」
と、やんわり自己申告する表現にしている。
アメリカ英語ではとてもよく使われるフレーズ。
同じ使われ方をする例:
・"Who would that be?" 「それはどなたになりますか?」
・"That would be great." 「(もしそうなら)最高ですね。」
・(レストラン等で名前を呼ばれ)"Smith?" — “That would be me.” 「スミスさん?」「はい、私です」
「英会話タイムトライアル」でもよく “How much would that be?" が出てくる!
would の「依頼/希望」の用法も基本イメージは「控えめ」
例) I would like a cup of tea.
行動の「希望・依頼」を丁寧にする表現(=「ほしい・~したい」を控えめに)。
「依頼/希望」を控えめにするためwouldを用いている。
だからと言って常に would を使うのは不自然
だからと言って、常に謙虚にふるまおうとして毎回「would」を使ったりなんかすると、英語話者からするとまわりくどく受け取られ、
・不自然に控えめすぎる
・何か距離を置いているように感じる
という印象になってしまう。
なぜ “would” を常に使えないのか?
“would" は「丁寧」にするが、“弱める”・“仮定にする” 効果がある。
なので、断言すべきところで would を使うと変になる。
例:
✕ I would live in Tokyo.「もしそうなら東京に住むことになるんですが…」
→ 曖昧で意味不明。
✕ I would be 30 years old.「私は 30 歳ということになるんですが…」
→ 断言にならない。
⇒ 自分の事実・普通の事柄には “would” を使えない。
どんなとき “would” を使うのが自然?
① 依頼・希望を丁寧にしたいとき
I would like a coffee.(=丁寧なお願い)
Would you help me?(=丁寧な依頼)
② 断言を柔らかくしたいとき
That would be me.
That would be great.
③ 仮定・控えめな推測を表すとき
That would explain everything.「そういうことなら全て説明がつきます」
I would imagine he’s tired.「多分疲れてるんじゃないかな」
実際の英語のバランス
英語ネイティブはこう使い分けている:
事実 → “I am/I like/I live…”
依頼・希望 → “I would like…”(would を使う)
丁寧・控えめにしたい → 適度に would を使う
じゃあなぜニールは断言すべきところで “would" を使っているかというと
①ニールは 詐称している最中なので、堂々と “I’m ○○.” と断言しすぎると怪しくなることがある。
②ニールは紳士っぽい話し方をするキャラなので、控えめで丁寧、皮肉っぽい一歩引いた表現が多い。
な、、、なるほど、確かにニールっぽい!
「私です」という意味の3つの表現の比較
“I am." / “I’m ○○."「私です(私が○○です)」
・ストレート、直接的、断言
・余裕というより「事務的」
・丁寧さや柔らかさは特にない
・感情の色が弱い(ただの事実)
例:
A: “Are you Mr. Cooper?”
B: “I am.”「はい、私がクーパーです。」
→ 悪くないが「きっぱり」「素朴」な感じ。
“That’s me.”「それ、私です」
・最もよく使う、普通で自然な返事
・一番中間
・カジュアルで明るい
・誰でも気軽に言う感じ
例:
A: “Order for Neal?” (店員が誰の注文か尋ねる定番フレーズ)
B: “That’s me.”
→ もっとも“汎用的”で、フレンドリーで軽い。
“That would be me.”「そういうことになりますね(=私です)」
・柔らかくて、上品
・断言を避けて“柔らかく控えめ”
・落ち着いた余裕・洗練さが出る
・丁寧で、やんわり
・ちょっと芝居がかった、ウィットさえある
例:
A: “Mr. Caffrey?”
B: “That would be me.”
→ 自信+スマートさ+丁寧さ、全部出せる(ニールのキャラに最もしっくり来る)
