chatGPTは英語の先生になれる?(スピーキング編)
chatGPTとしゃべる時代になった
↑から2~3ヶ月経ち、GPT先生はますます進化している。
無料で使えるバージョンが「3.0」から「3.5」に上がり、「すみません」「ごめんなさい」「謝罪します」「お詫びします」「申し訳ありませんでした」という平謝りが激減した。。。
とは言え、AIの回答をそのまま信じるのはやっぱり今でも難しい。でも英会話の練習相手として使う分にはあまり関係ない。
実際、chatGPTを組み込んだ会話サービスはどんどん増えてきている。
性能も上がってchatGPTとスムーズに英会話が出来るようなので、色々なサービスの中からいくつか試してみた。
お試し①:chatGPTのサイト
Chrome拡張機能「Voice Control for ChatGPT」
まずはChromeに「Voice Control for ChatGPT」という拡張機能を追加して音声認識が出来るようにし、その機能を利用してみた。
入れてみるとchatGPTの画面に音声関連のボタン類が追加された。
先に文字で「英会話の先生として会話しましょうよ」とか「間違いがあったらなんでも直してね」とか、要望を適当に入力してお願いし、あとは下のマイクボタンを使ってしゃべった。
AIの話すスピードを調整できるのがありがたい。
話題を思いつくのがちょっと大変だけど、制約がないので何でも自由にお題に出来るところが大きなメリット。
添削も何でもいくらでもしつこく訊ける。ただしどうも忘れっぽいらしく、会話が進みだすと全然修正してくれなかった。
(よくオンライン英会話にいる、間違いを指摘してくれとリクエストしていても全く指摘しない先生のような感じ・・・)
一回ごとに頼めば快く応じて直してくれた。
どこかの会社のサービスを使うのではないので基本的にどれだけ使っても無料。そして利用している会社のサービス変更や料金改定などに振り回されなくて済む。
でも味気ない画面と人間味のないしゃべり方が残念なところ。モチベーションが保ちにくい・・・。
お試し②:AIと英会話練習するアプリ
アプリならお手軽に開始でき、画面の雰囲気も明るく楽し気。その代わり料金が掛かる。
AI英会話アプリは色々あるようで、1個1個やるのは面倒なのでとりあえず適当に「AI英会話 – 無限トーク」というアプリを試した。
AI英会話 – 無限トーク
無料で会話が出来、もっと色々な高機能を使いたければ有料プランに入りましょう、という形。
分かりやすい画面で、会話のテーマも相手も複数用意されているように見えた。しかし実際はほとんどが有料プラン(780円/月~)でのみ。無料の場合は数人からのみ選べ、テーマはフリートークのみだった。
でも無料でも会話相手にイギリスやオーストラリアからも選べるのが良い。
会話を進めると、自分の発話の中で印が付いているものと付いていないものがあり、付いている方は開くと驚くほどご丁寧な解説付きの添削をしてくれていた。
しかし、AI先生とおしゃべりしていたら、突然広告画面に切り替わったのでビックリした。
数秒後に元の会話画面に戻れたけど、無料だからまぁ仕方ないか・・・。
広告は、会話していると結構頻繁に入った。消すには1480円/月プランに入る必要があるらしい。
お試し③:オンライン英会話のサービス
オンライン英会話スクールにとって、いつでもどこでもいくらでも会話が出来るAIサービスは強力なライバルなんだろうけど、「先生と話す前にたっぷり練習しましょう」という触れ込みで、そういうサービスを始めている学校が既に出始めているらしい。
自分の場合は、休会中の無料会員状態になっているオンライン英会話スクールがいくつかあり、その中でDMM英会話とCamblyから案内をもらったのでやってみた。
DMM英会話の「AIロールプレイ」
まだベータ版とのことだけど、きちんと作りこまれた入り口。会話テーマも既に色々用意されている。
ただしフリートークはない模様。「ロールプレイ」だからかな。
AIが話すスピードの調整方法は見つからなかったけれど、画面上部のスイッチをオンにすると、話し終わるたびにボタンを押す必要が無く会話が続いた。
しゃべり終わって黙ると、数秒の待ちを入れた後すぐアップされるという作りになっていて、これがとても便利だった(ただし、発話の中でちょっと黙ったところは全部ピリオドを打って文の終りにされてしまった)。
また、全ての発話でフィードバックを生成するようになっていた。しかし英語でズラズラ書かれて読むのに時間が掛かるし、時々発話内容ではなく自動で文字起こしされた文章を添削していたり、言っていることが矛盾していたり、といったことがあるので使いづらいと思った。
少し会話のキャッチボールをしていると、「お疲れさまでした」と強制的に終了となるので、長々話すことは出来ない反面、「いつまで続くんだ・・・」と思いながらAIの問いかけに答え続けなくて良かった。
Camblyの「Cambly AI」
こっちはDMMとは対照的に、あっさり画面に説明のないボタン、そしてほんのちょっとの会話テーマ(現時点で)。
何のテーマがいくつ用意されているのかよく分からない。テーマを探す検索で何かワードを入れても全然出てこない。
色々と、実にCamblyらしかった。
DMMと違い、過去の会話履歴がずっと残っていて見直せる。
新しく開始するたびに前回の最後の発話をAIがしゃべり出すのは、仕様なのかバグなのか・・・。
他にもDMMと違う点として、こっちには「Cambly AIとのチャットを開く」というテーマがあり、ここである程度のフリーな会話が出来た。
でも気になったのは、こちらが話した内容を、送信ボタンを押す前にAIが修正してしまっている模様。言い間違えや言い過ぎたことが消えて正しくなっている。
これってどうなんだろう・・・。
AI英会話は自分に合っていた
恐らく全部chatGPT利用なので、音声認識とか回答の正確さとか、そのへんは共通ということで置いておくと、
サービス | 主な良い点 | 主なイマイチ点 |
---|---|---|
chatGPTサイト | ・何をするのも自由 ・サービス提供会社に左右されない | ・画面も音声も味気ない |
AI英会話 – 無限トーク | ・無料でも十分使える(有料でも780円/月~) ・フィードバック解説が日本語で分かりやすい | ・広告非表示には1480円/月 |
DMM AIロールプレイ | ・余計な操作がないので実際の会話のようにスムーズ ・なんとなく始めたくなる(?)丁寧な画面 | ・いずれ有料か機能制限、自由に使うには普通の英会話会員料金 |
Cambly AI | ・フリートークや添削にも使える | ・(今は)用意されている会話テーマがかなり少ない |
AIの機械的な音声も昔より格段に良くなっているし、こっちの話によって返答内容を変えてくるのはホントにすごい。
オンライン英会話の先生だと、こっちの話す一言一言を全部片っ端から指摘・修正する先生なんていないし(まぁ無理でしょうから)、それは頼みづらい。
でもそれをしないといつまでも間違っていたり自然でない言い方のまま。
それを解決してくれるのがAI先生だ。
それに、聴き取れない時に何度でも「もう一回言って」とお願いしやすい。
音声認識レベルも相当上がっているし、話した内容がかなり正確にすぐ文字起こし表示されるのも舌を巻く。
最近のオンライン英会話でも、文字起こし付きレッスン動画の提供が増えているみたいだけど、個人的にはレッスンの度に25分もの量の会話内容を見直すのは大変過ぎる。
内容を絞って(テーマは1個のみ)、
ほんのちょっとずつ(2~3ターン程度)
会話の内容とその添削を見直す(自分のはもちろん、AIの発話も参考にする)
私にはこれが望ましい。これならルーティンとしてやれそう。
そう考えると、AI英会話は自分にとても合っていた。
結論として、会話練習相手としてAIは十分使え、しかも上手く使えばオンライン英会話より効率良くスピーキング力が伸びそうだと思った。
ただし「英会話講師」と呼ぶにはやっぱり指摘内容に相変わらず時々おかしな点がある模様なので、ライティング同様スピーキングでも、言っていることはあまり鵜呑みにはしないようにするのが前提。
そして大事なことは、実際に英語を使う相手は機械ではなくヒトであるということ。
ヒトと話すことも忘れずに!